一人旅おやじがゆく

旅することが人生の最大の喜びである旅好きが、各地で見たもの感じたことを淡々と記します。

箱根駅伝のレースもコースも堪能

箱根駅伝の往路は青山学院が優勝した。

熱心な駅伝ファンといわけではないけれども、毎年ついつい見てしまう。特に3区から5区にかけては松並木があり、太平洋があり、箱根の山道がありで、旅好きの目を喜ばせてくれる。神奈川県はなんと風光明媚な土地なのだろうといつも感動する。

5区なら特に小涌園のカーブあたりがいい。ぐんぐん山を登っている感じがして。宮ノ下の旅館街も秀逸。芦ノ湯を過ぎてやがて芦ノ湖が見え始めると一気に景色が明るくなる。

というわけで、両親を連れて昨年11月、静岡に行った際、小田原の中継所あたりから箱根まで、5区のコースをレンタカーで走ってみた。東京方面から高速で小田原に向かい、箱根湯本の手前でコースに入った。

意外だったのが、コースとなる国道が想像以上に狭かったこと。ちょうど日曜日だったので、車も人もやたらと多く、箱根湯本の駅付近は結構な渋滞。湯布院に似た賑わいだ。山を登りだすと車の量は減ったものの、やはり東京周辺の観光地だけあって相当な混雑である。観光バスとすれ違おうものなら、こちらはスピードを落としてなるべく左側に寄らないと怖い。そして勾配がかなり急。次から次にカーブが続く。テレビで見ているより、ずっと山道なのだ。特に宮ノ下の温泉街はかなり狭い。テレビカメラは一番いい位置で構えているので、広がりがある雰囲気になるが、実際はかなり感覚が違う。あの特徴的な小涌園辺りもついつい見落としそうになった。

芦ノ湯の近くで、車を降りて林の中で立ち小便をする。紅葉が遅れ気味で、植生も九州山地とあまり変わらず、ちょっとがっかり。

元箱根のゴール地点でやってみたいことがあった。選手を真似て最後の角を曲がったあたりでガッツポーズをする自分を撮影したかった。しかしあまりの渋滞で、ゴール地点の特定にさえ至らなかった。というか芦ノ湖あたりでは車を停車できなかった。首都圏は人が多過ぎだ。どうにかしないと、観光さえままならぬ。ようやく駐車したのは、かなり三島寄りにある高台の道の駅。箱根を俯瞰できて景色は素晴らしかったが、関所さえも観光できずに、悔いが残った。ああ、念願叶わず、だ。

そして今日。記憶を思い起こしながら、レースの往路を楽しんだ。あの日の観光は今日のためにあったのだ。しかしなぜ、神奈川県はいつもここまで天気がいいのか。岡山県もそうだ。雨のイメージが全くない。

テレビでは自動車道が一般道と交わる付近も映像に出て、「いいぞいいぞ」と力が入る。箱根湯本のあたりはあまり映らなったが、函嶺洞門は映り込み、よしよしだ。選手は時速19キロで走っているらしい。あの坂道をそんなに速く走れるとは驚きである。大平台、宮ノ下、台風被害で閉鎖された踏切、小涌園‥、2か月前に目にした光景を選手たちが走り抜ける。ちなみに選手の間を走行する監督車や審判車は大変だろう。とんでもないスピードで追い上げる選手が後ろから来た場合、どう対応するのだろう。対向車線は規制されていないので、はみ出すわけにもいかず。少しだけずれて脇を走らせるのだろうか。謎だ。

ゴール地点はどうらや箱根駅伝記念館の横みたいだ。確かにそんな建物があった。元箱根方面から走ってきた青学の飯田選手が力強く国道を右折してゴール。同時に打ち上げられる花火がまたいい。

そういえば、5区で3位を争った東海大と東京国際大の選手は、2人とも私が住んでいる熊本出身だった。最終的には国際大の大柄な選手が振り切ったが、ゴール直後に仲間の腕に倒れ込み、「もう走らん、もう走らん」と熊本訛りでぼやいていたのが、熊本人らしくて思わず笑った。ちなみに東京国際大は、私が好きなエレカシ宮本の出身大学である。

あすの復路がまた楽しみだ。