一人旅おやじがゆく

旅することが人生の最大の喜びである旅好きが、各地で見たもの感じたことを淡々と記します。

別府と湯布院はいい具合に違う

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湯布院


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別府駅近くの商店街


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阿蘇の雲海


せっかくの年末年始の休みなので、せめて一泊しようと妻と別府に来た。阿蘇や湯布院も通って、質のいい温泉を満喫しようというわけだ。

阿蘇の外輪山から遠望したら雲海が出ていた。そろそろ霧が消え始める時間だったうえ、上空にかすみがかかり、あまり鮮やかではなかったものの、久し振りに見た。

草原の中の道路で小国を通り、大分県へ。県境を越えたところにある川底温泉を十数年ぶりに訪ねた。ここの湯はひたすら透明度が高い。浴槽の底は石が敷き詰められ、その合間から温泉が湧いている。朝早いので私一人だけ。熱めの湯がたまらない。天井が高く、清々しい。何回も湯でじゃぶじゃぶと顔を洗い、体に刻み込むように心地よさを堪能する。料金500円の価値十分にあり。ただ浴室があまり広くないので、客が多かったら、ちょっときつかったかも、だ。

湯布院も2年ぶり。前回は日本人2割、外国人8割、外国人の7割が韓国人、というのが実感だったが、今回は日韓関係のごたごたのせいか、日本人6割、外国人4割で、外国人の半数が韓国人という感じだった。

30年前は、湯布院はごく普通の温泉町だったのに、その後、地元の旦那たちの頑張りが功を奏して驚くほどの発展を見せ、今やその賑わいたるや九州の観光地では一番だろう。行くたびに新たな店舗が増え、まさに進化しているというか、増殖しているというか。観光地としての質は間違いなく上がっている。競争が激しいので、あまりいい加減なものは売ったり、提供したりしてない感じがする。

ただその分、宿泊費も全体的に大きく跳ね上がり、人気の宿などは相当な覚悟がないと泊まれない。あれだけ宿泊施設が増えると、湯が枯渇しはしないかと心配にもなる。だれにも頼まれてはいないが、定点観測を続けたい。

一方、独自のスピード感を有しているのが別府温泉だ。湯布院が手にした魅力は持っていないが、湯布院がなくしつつあるものの価値に気づき、大事にしようとしている感じがする。よく言われていることではあるが。何より地元民の公共温泉施設の利用度が高く、それ故に時折、とんでもなくディープでアウエーな浴場に迷い込むことになる。まぁそういうのが好きな人には問題ないが、私は意外と圧迫感感じる方なので。

宿に入る前に、恒例の商店街散策をした。駅近くの数本のアーケード街は、ちょうどいい寂れ感を出している。寂れつつあるが、しっかり生きている感じ。古い喫茶店、八百屋、買う人がいるのか心配になる土産物屋‥。構成要素は十分だ。商店街に「登録有形文化財」があれば、たぶん指定を受けるのでは。しかしだれか制定して欲しいものだ、登録有形商店街の制度。

あすは、以前も書いた寿司屋の「亀正」に行くと妻が張り切っている。またとんでもない行列ができるのか。「あまりに行列が長い時はさすが諦めようか」と妻は言っているが、どうも本気とは思えない。私は水族館の「うみたまご」に行きたいのだが。