一人旅おやじがゆく

旅することが人生の最大の喜びである旅好きが、各地で見たもの感じたことを淡々と記します。

バルト海を船で渡った フィンランド2

北欧といえばバルト海である。

柔らかな陽光にきらめく、透き通った海‥と誰もが思うだろうが、残念ながら違う。バルト海は茶色の海なのだ。透明度、極めて悪し。しかしヘルシンキっ子は、沖合にある世界遺産の島スオメンリンナで海水浴を楽しんでる。東京湾より濁っている感じがするが。ちなみに下の写真ではあまりよく分からない。

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濁りの理由はなんなのか? ネットで調べると、 限りなく閉ざされた海だからという。大西洋方面に出ようと思えば、デンマークスウェーデンに挟まれた狭い海峡しかない。だから循環が悪く透明度が低いというわけだ。でもよく分からない。地中海も同じような閉ざされた海だが、すごくきれいなのだ。八代市が面する不知火海も湖並みに閉ざされているが、まあまあきれい。

そのバルト海をフェリーで渡ることにする。行先はエストニアの首都タリン。大相撲で活躍した把瑠都が住んでいる街である。いまは国会議員をやってるらしい。

チケットは前日にヘルシンキの港で購入。ネットでも買えたようだが、出港時に港でばたつかないように偵察も兼ね、トラムで買いに行く。この慎重さがフリーツアーには大事なのだ。言葉が通じない海外で準備不足は絶対に避けたいところ。

港までヘルシンキ中央駅から30分足らず。ホントにコンパクトな街だなと再確認した。フェリーは片道3時間ほど。ヘルシンキを朝出れば夜には帰ってこれる。おまけに白夜なので、こうした負荷のかかるルートも割と軽々やれるのである。

フェリーはまあまあの大きさ。クルーズ船のように巨大ではない。乗船するとバーや土産物屋、ゲームコーナーなどが充実しておりテンションが上がる。客層は私たちのような日帰りツアー客も多いが、トラックの運転手らしき人も多い。ステージではバンド演奏も。アコースティックギターがなかなかじゃないか。

外に出ると日光浴を楽しみながらビールを飲む欧米人たち。甲板の端にはエストニアの国旗がはためいている。船で旧ソ連に向かうのだ。それも西の端の。ずっと以前はドイツ騎士団が活躍したエリア。「思えば遠くに来たもんだ」と頭がとろけそうになる。遠い目になる。個人的にはこの旅行の最高の瞬間だった。

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タリンは世界遺産の街である。中世の面影が濃厚に残る。港から20分ほどで旧市街が広がる丘の入り口に到着。最北のハンザ同盟都市だけあって、ドイツの城郭都市とよく似た雰囲気だ。旧ソ連の暗さはあまり感じられない。しかしときどき、マトリョシカが売ってあるのを見かけ、「ロシアの香りがするなぁ」とまた遠い目になる。

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4、5時間も観光しただろうか。また歩いてタリン港へ。帰りのフェリーはなぜかほとんどトラックの運転手だった。それも相当な数。なかなか座る場所もなく、ゲームコーナー用の椅子に座っていた。

ところでバルト海はどんなに沖に行っても、茶色だった。これはもう汚れではないな、光の具合だ、疲れた頭でぼーっとそんなことを考えながらヘルシンキへ向かった。

夜9時頃にヘルシンキに到着。まだ薄明るかった。トラムもまだ動いており、ホテルには10時過ぎに着いた。充実した1日でした。