一人旅おやじがゆく

旅することが人生の最大の喜びである旅好きが、各地で見たもの感じたことを淡々と記します。

天草をサイクリング

熊本にも緊急事態宣言が出た。なるべく家にはいるのだが、天気がいいとどうしてもじっとしていられず、海辺をサイクリングすることに。

選んだのは、以前から走ってみようと思っていた上天草市。車に自転車を乗せ、大矢野のパチンコ屋にしばらく駐車させてもらう。コロナの影響で車はがらがら。それにしてもコロナ騒ぎいつ終息するものか。パチンコ好きの私も全く足を運ばなくなった。サイクリングの数日後、県の要請を受け、多くのパチンコ店が営業を自粛した。賢明だと思う。

しかし、前にも書いたが、私は普段から人の多いところにほとんどいかず、積極的に人と群れることもなく、リフレッシュの手立ては神社仏閣巡りやサイクリング、一人ドライブときているものだから、知らず知らずに感染防止的な行動をしていることになる。温泉巡りはさすが休止しているが。

大矢野島東海岸を南下する。

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二つの橋を渡り、維和島へ。

 

吊り橋のアーチまろやか春うらら

 

考えてみるとこの辺りに来るのは二十数年ぶり。釣り三昧だった三十代の頃、いろんな釣り場を求めて天草や豊後水道を巡った。一人で行くことも多かった。あまりの熱中ぶりに「日常から逃げているのではないか」と同僚から言われたこともあった。すごくショックだったが、確かにそんな部分もあったと思う。それほどあの時期はつらく、心は病んでいた。仕事に行く前は食事がのどを通らず、帰宅して暴飲暴食した。今でも、朝起きた時や会議の前に時折、あの頃の感覚が蘇り、「よくぞあの頃の自分は会社生活を耐え切ったものだ」と我ながら感心してしまう。

そんな頃を思い出す場所だから、意識的に足を運ばなかったのかもしれない。

維和島を1時間ほど巡った。写真の吊り橋の周辺では釣り人が結構いたが、あまり釣れているようではなかった。見た感じ、釣れそうな手頃な磯があるものの、潮流が速すぎたりして、なかなか釣果は上がらないもの。結局は潮あたりのいい堤防の方に軍配が上がったりするのである。

遠くに、先日まで暮らした八代市が見える島の東部までたどり着くと、なんと美人画で有名な東郷青児の父親の生家跡という場所があった。父親は鹿児島の東郷家に養子に行ったらしい。二科会のドンと言われた東郷青児は熊本に縁のある人で、会の展覧会で熊本を訪れた際に急死している。

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生家跡あたりからは、八代の港が割と近くに見えた。

 

花散るや塀にもたれてメール打つ

 

堤防から釣り人の様子をぼんやり見ていると、自宅待機の子供にあてがったのだろう、耳障りのいいゲームの電子音が近くの家からずっと聞こえていた。

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こんな感じの恵比寿様が結構あちこちにあった。

そういえば、テレビ東京で私が好きな「レンタルなんもしない人」がドラマ化されている。熊本はテレ東は映らないが、アプリで見れるからうれしい。