一人旅おやじがゆく

旅することが人生の最大の喜びである旅好きが、各地で見たもの感じたことを淡々と記します。

八女市の二つの重要伝統的建造物群

前の週に山鹿市の古い町並みをネットで色々調べていたら、熊本には文化庁指定の重要伝統的建造物群保存地区がないことに改めて気づいた。そして隣県の福岡にはいくつかの指定地区があることを知った。

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 新型コロナウイルスの感染防止のため県境越えを自粛しなければならなかったが、6月1日の九州知事会で自粛の緩和が発表された。

妻と二匹のトイプーも同行

それなら県境を越えようじゃないかー。3月中旬の3連休で佐世保や平戸に行って以来、一度も県境を越えることはなかった。旅好きな私にとって大変辛く、その思いを慰めるように麦の穂が揺れる阿蘇山麓東シナ海の荒波打ち寄せる天草下島など県内のあちこちで自転車を走らせた。満を辞しての県境超えなのである。

目的地は、福岡との県境に近い八女市。まずは手近な場所を、という思いだ。久しぶりに妻と二匹のトイプードルも同行してくれた。

八女市には福島地区(八女市の中央部)と黒木地区(広域合併前の旧黒木町黒木瞳の出身地)の2箇所に保存地区がある。熊本市からわずか60キロほどしか離れていないのに、どういうわけか通過するだけで、ゆっくりと観光をしたことがなかった。

江戸〜明治期の建物が整然と

まずは福島地区へ。すぐに見つかったのが堺屋(旧木下家)。明治41年建築の離れ座敷が公開されている。管理人だろうか、年配の男性が庭の清掃をしているほか、人気はない。中に上がると明治の豪邸らしく天井が高い。開け放たれた座敷から夏の陽に照らされた棕櫚がくっきりと見える。

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表通りを歩いてみる。思っていた以上に古い家々が軒を連ねる。時折ある説明板によると江戸後半から明治期の建物が多いようだ。1階と2階が同じ大きさの立方体のような造りが目立つ。以前から八女市一帯にはこんな形の古い家が多いことには気づいていたが、この保存地区にはそんな家々が凝縮している。「相当豊かな町だったのでは」と思わせる。さすがは保存地区。

お茶が代表的な八女だが、この地区には仏壇や提灯を取り扱う店が圧倒的に多い。江戸期以来の特産工芸品だったのだろう。八女市の西側にある大川市に家具屋が多いように。
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ほとんど観光客がいない古い町並みに、午後2時の日差しが容赦なく照りつける。城跡の南側から西側を歩く。時折、地元の小学生が遊んでいるくらいの静かな町である。

黒木瞳の故郷へ

続いて、黒木地区に向かう。

福島地区から10キロほど東側。九州山地への玄関口である。30年ほど前に通過して以来、久しぶりである。ただ福島地区に比べ、黒木地区は古い町並みがあまり明確ではない。言わば、国道沿いの中心商店街の一部に古い家々が点在している感じで、あまり観光化されていない。

松木家住宅が交流館になっていた。中に入ったら管理人のおじさんが出てきて説明してくれた。福岡県とはいえ、熊本に近いため、方言は熊本弁に極めて近い。私も安心して熊本弁丸出しで話していたところ、「どこから来られましたか」と聞かれてしまった。

ここまできたらやはり聞かねばと思い、「ちなみに黒木瞳さんはこのあたりのご出身ですよね」と尋ねたところ、結構のってきてくれて、「お母さんが綺麗だったですもんねぇ」と教えてくれた。どうも家族揃って出来のいい一家だったようだ。
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地区の南側を流れる矢部川の河原に降りてみた。ちょうど5時を知らせる有線放送が流れる。

矢部川の河原でハプニング発生

そろそろ帰ろうかと思っていたその時、とんでもないことが起こった。上の写真を撮った1分後くらいである。

妻が抱いていたトイプードルの小さい方が50センチほどの高さから河原の岩盤の上に転落。打ち所が悪かったのかぐったりとなり、反応がない。二人とも青くなり、「動物病院に連れて行こう」と急いで車に戻り、スマホ八女市の病院を探して電話するも、いずれも日曜で休み。

 絶望的な気持ちになる。

トイプードルは少し力を取り戻した感じではあるが、辛そうにクンクンと泣く。ただ出血はなく、体のあちこちを触っても痛がりはしない。

「熊本には24時間開いている病院があるから、急いで帰ろう」と妻。高速道路を走りながら、「連れて来るべきではなかった」と強く後悔する。

7時ごろ病院着。「頭を相当強く打っているようだ。一晩入院が必要」と言われる。

そして今日。夕方、割と元気になって犬が帰宅した。1日中、ずっと気になっていたので、心の底からホッとする。ただ、まだ完全には安心できない。頭を打っているのだから数日後に急激に容体悪化、ということがないではない。

目に光が戻り、元気に動き回っているのがせめてもの救い。それを見ながら、このブログをアップした。どうか何事もなく無事であってほしい。