一人旅おやじがゆく

旅することが人生の最大の喜びである旅好きが、各地で見たもの感じたことを淡々と記します。

上越市の公園。たぶん3年後には行くだろう

どうも、旅するおやじ旅生です。

NHKのBSで火野正平さんが全国各地を自転車でめぐる「こころ旅」、今週は新潟県を北上していました。その中で出てきたのが上越市の「たにはま公園」という場所。火野さんが指さしているのは直江津の街並みです。

8年ほど前、50歳の誕生日を迎える直前の3月末、熊本からFDA名古屋空港に行き、青春18切符を使って豊橋駒ヶ根(泊)ー松本ー長野(泊)ー上越ー富山(泊)ー名古屋と一周したことがあります。もちろん一人旅。

上越は初めて行った土地でした。春日山城を見た後、日本海の海岸を歩いて直江津駅へ。雪も少し降って、日本海らしい景色を堪能できました。静かな町でした。春日山城の麓の林泉寺上杉謙信の墓があり(意外と小さかったような‥)、天正六年と彫り込んであるのを見て、「個人が確定している戦国時代の墓って初めて見たのではないかな」と思ったのも記憶しています。宝物館もあり、住職さんが詳しく説明してくれました。

この4日間の旅、一般的に見れば地味なコースなのでしょうが、旅生から言わせると「我ながら実に見事なコース」でした。いろいろなことがすごく印象に残った旅でした。

ちなみに火野さんが訪ねた「たにはま公園」には行きませんでしたが、定年後の長旅ではまず間違いなくキャンピングカーで訪れるだろうな、とテレビを見ながら思ったところでした。キャンピングカーが届くまであと半年、定年まであと2年半。山あり谷ありの会社生活は続くのでしょうが、健康に留意しながら、「自由」になる日を待ちわびています。

f:id:noaema1963:20210610152504j:image

話はガラッと変わりますが、相変わらず古代史、神話についての本を読み漁っております。

読んでいて思ったこと。

戦国史以降の近世史、近現代史に比べ、根拠となるべき資料が極めて少ないため、推論がとても多いようです。まるでコロンボ古畑任三郎の話を聞いている感じ。

そのため他の時代の歴史本にくらべ、学者の名前がこれでもかというほど出てきます。邪馬台国論争あたりになると、考古学者、歴史学者言語学者などいろんな分野の研究者がそれぞれの論を展開。そのたびなるべくネットで研究者のこと調べていますが、何しろ新井白石あたりから邪馬台国論争は始まっています。300年以上も結論は続いているわけです。こりゃすごいな、と思わずにはいられません。

邪馬台国論争自体が歴史になっています。邪馬台国の歴史的価値をを知る=「邪馬台国論争の歴史を知る」ことにもなってしまいます。何か変な感じです。

ちなみに神話研究と古代史研究は別物なのでしょうが、どこか線引きが微妙で混沌としています。しかしそちらの方が読む側からすると一つの醍醐味となります。

例えば卑弥呼神功皇后応神天皇の母親)という話も出てきます。ただ神功皇后自体、実在の人物かどうかはっきりせず、半分神話の世界の人のようでもあり、読んでいて混乱します。でもその混乱がなんとも楽しいわけです。

手当たり次第に目についた本を読んでいます。最近は昭和40年代あたりに出た本を読む機会が多かったですね。手元の本棚にあったもので(笑)。もしかしたら邪馬台国論争を含む古代史研究が盛んな時期だったのかもしれません。ただその後、吉野ヶ里遺跡纏向遺跡で大きな発見があっているので、いろんな解釈が変わったことでしょう。その辺りは随時、追っかけていきたいと思います。

今読んでいるのは、中央公論社の「日本の歴史 神話から歴史へ」。井上光貞氏がまとめています。ネットで調べたらなんと長州閥である井上馨桂太郎の孫。私が高校生の頃に60代で亡くなった方のようです。幕末・明治はそう遠い過去ではないのですね。

この本で井上氏は邪馬台国九州説をとっていらっしゃいます。

福岡南部(筑後平野の南側)から熊本北部(熊本平野の北部)のエリアだったのではないかと書いています。最近はどちらかというと近畿説が強いので、「へぇ、井上先生はそうだったんだ」と意外な感じがしました。

話は細部に入ってしまいますが、井上氏は福岡南部と熊本北部の「一体感」を強調しています。

地元民として、これはうなづける話です。福岡南部には頻繁に訪ねる機会が多く、そのたびに感じるのは、言葉、景色、風俗、地域性などいろんな事柄が一緒であるということ。律令制以来、確かに別の地域に分けられていますが、地域を分ける高い山脈などもなく往来は極めて盛んです。大牟田市荒尾市の県境はただの細い道路一本です。このあたりの一体感をきちんと見定めているあたり、さすがと思いました。

何冊か古代史の本を読んだだけなので、あまり偉そうなことは言えませんが、井上先生がまとめられたこの一冊、とても説得力があり、分かりやすいと思います。

これまで戦国時代以降の歴史にばかり目を向けていましたが、新たな時代に踏み込んでいけて、視野が開けた感じがします。

次の一冊は「日本の神話を考える」(上田正昭著)。まだ少ししか読んでいませんが、なかなか面白そうです。