一人旅おやじがゆく

旅することが人生の最大の喜びである旅好きが、各地で見たもの感じたことを淡々と記します。

キリンやバクに癒される

どうも。旅するおやじ旅生です。

長崎バイオパーク」に行ってきました。自然の地形を生かした動植物園。と言っても九州外の人にはどこにあるのだか、さっぱりわからないだろうと思います。

ざっと説明すれば佐世保市の南部にある「ハウステンボス」から車で20〜30分ほど行ったあたり。近くには「オランダ村」。この二つの施設はハウステンボス誕生前の80年代、一世を風靡しました。九州各地の若いカップルが遊びに行ったものです。

オランダ村には行ったことがあったのですが、バイオパークは初めて。

正直、何も期待していませんでした。何しろ開設からやがて40年。時代遅れの動植物園だろうと思っていましたが、意外に、と言うか、かなり、良かった。

ライオンやトラ、象、ヒグマなど一般的に人気の動物はいません。バクやプレーリードッグ、カンガルー、キリン、羊、ラマなど草食系の「触れ合える」動物ばかり。もちろんバクやキリンには触れませんが。

ホント癒されました。「自分はかなりの動物好きなんだ」と改めて気づかされました。10月に亡くなったトイプードルのことも思い出されました。

入園する前、「1人で入ったら、かなり悪目立ちするのでは」と心配しながら、「いやいやいや、単独行動こそわが真骨頂」と自らに言い聞かせていました。でも杞憂でした。男一人だけで動物を観察している人、他にも結構いらっしゃいました。

f:id:noaema1963:20211215212309j:image

この園の醍醐味の一つは、餌を食べるキリンを上から見れること。旅生のスマホから約30㎝の距離にキリンの顔。ちょっとドキドキしましたが、他では滅多に味わえない体験でした。

この後、このキリンは水場へ。脚をぐっと踏ん張り、頭を下げて水を飲んでいました。よく見ると、長い首の筋肉が動き、斜め45度の首を水が駆け上っている様子がよく分かるのです。これはちょっとした感動でした。水が口元から胴体へたどり着くまで約3秒。いかにキリンの首が長いのかよく分かりました。

で、一句。

 

冬の水キリンの喉を駆け上がる

 

下の写真はプレーリードッグ。岩の上にじっと立って、何を見ているのでしょうか。
f:id:noaema1963:20211215212311j:image

何を見ているのか気になるといえば、ダチョウもそう。レモンほどの大きさの頭をぐっと掲げ、お客さんを睥睨しているようです。なんとなく目つきが鋭い。時々、怒ったように嘴で木製の柵を「カツカツカツカツ」と叩くわけです。ちょっと怖かった。

驚くことに同じ敷地にシマウマと同居していました。相性がいいのかな。神経質そうなダチョウとどこか間の抜けた感じがするシマウマの取り合わせ、不思議でした。
f:id:noaema1963:20211215212306j:image

バイオパークには2種類のバクがいました。ブラジルのバクとマレーシアのバク。写真はブラジルのバク。それにしてもなんでこんな不思議な外見をしているのでしょうか。カバみたいであり、象みたいでもあり、馬にも似ているような。でも何にも似ていない感じも。カピバラと同様、「なんなんだ、この動物」と思わせる不思議なオーラがあり、思わず見入ってしまいました。

飼育員のお兄ちゃんが餌を持って近づくと「プシュ、プシュ」といった気の抜けたような鳴き声で喜んでいました。鳴き声まで個性ありすぎ。

 

日向ぼこバクの見る夢どんな夢


f:id:noaema1963:20211215212314j:image

最近、古墳だとか古い町だとか、そんな方面ばかりに興味が行っていましたが、生物もいいですね。俳句の材料にはぴったりです。

とか言いながら、佐賀県嬉野市にある長崎街道の「塩田津」にも立ち寄りました。国の重要伝統的建造物群保存地区の一つ。佐賀には古い町なみが割と多いのです。

f:id:noaema1963:20211215222246j:image
f:id:noaema1963:20211215222240j:image
f:id:noaema1963:20211215222243j:image

古い町並みというのは、意識しないと出来上がらないものであること、上のパネルを見てもらうとよく分かります。

以前の姿はそれが古い建物であることが分かりにくいのですが、不要な看板や板を剥がすなどの改修を施すことで本来の味わいを取り戻しています。当然、町並みの中には「古っぽく」造られた新築の家も混じっていますが、これはこれで統一感をもたらすための大事な取り組み。

日本をはじめとするアジア各地に見られる、町並みの「不統一感」は、欧州の人々から見たら「美的センスを疑いたくなる」ものなのだろうと思います。

日本の多くの町並みは「不統一」でありながら「無個性」という不思議な取り合わせに満ちているのではないか、旅生はと思うわけです。

信州の木曽谷には古い町なみがいくつもあります。しかしあそこも50年以上前は、中途半端に古びた人目を引かない田舎の町並みでした。意識的に町並みを復活させることで現在の観光地としての人気を勝ち得たのです。つい先日プライムビデオで見た「4Kで見る新日本紀行」でやっていました。