一人旅おやじがゆく

旅することが人生の最大の喜びである旅好きが、各地で見たもの感じたことを淡々と記します。

いつも訪ねる小さな港

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どうも、旅するおやじ旅生です。

熊本から唯一、外洋を望める地である天草西海岸に行ってきました。時々行きたくなります。

ここが遠いんです。熊本市から130キロくらい。高速がないから3時間ほど。

外洋なら福岡市あたりに行く方がホントはずっと楽なんだけど。ただ、朝ドラ風に言えば、

不便だから行きたくなる場所がある。

遠いから魅力的な時もある。

 

天草西海岸でも一番好きなのがこの、小田床港。下田温泉街からちょっと南側。

小さな入江になっていて、もはや港としての役割は終えているようです。

でもとても印象に残る入江なのです。

削ぎ落とされたような断崖、透明度の高いどっぷりとした水面。水平線の向こうは中国。

旅生が最初にこの港を知ったのは20年以上前。後輩と釣りに来た時でした。以来、天草西海岸に来たら必ず立ち寄ります。

何か歴史とかドラマを感じるのです。なにか「訳あり」な空気があります。例えば「昔、帝国海軍の潜水艦停泊地だった」とか「奈良時代遣唐使の船がこの入江にたどり着いた」みたいな。

いつ行っても旅生以外にも訪問客が数人いるのは、この地に魅力を感じる人が意外と多いのではないかと思います。
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一人、キャンピングカーでやって来て、2時間ほど滞在。ここに来る時はほぼ間違いなく天気はどんより。今回もそうでした。でもそれがいい。

しばらく歩き回った後、車に戻り村上春樹の短編集を読みました。ここで読むなら村上春樹以外にない、と前から思っておりました。

東京奇譚集の「ハナレイベイ」。確か映画にもなったのでは。

目の前の景色と作中に出てくるハワイの風景がクロスして、なんとも言えない満たされた気分になりました。

 

実は2年前にもこの港についてブログで少し触れているのですが、読み返すと「ここに来ると何か大きな苦しみを抱えているような気分になる」とあり、苦笑しました。

その通り。定年を目の前に慣れない部署に異動が決まり、気持ちを立て直したくて来ているのです。

私の自己分析は正確です。