今年の秋は順調にやってきているような気がする。いい具合に雨が降っているからだろう。
熊本市は9月の半ばに藤崎宮例大祭という、とんでもなく騒がしい祭りがある。いつもこの時期になると、朝晩ひんやりするようになり、これを地元では「随兵寒合《ずいびょうがんや》」と呼ぶ。
ところがこの20年ほど、温暖化のため10月初旬まで暑さが続き、この言葉も死語になりはしないかと、心配している。
だから今年のように早々と秋雨前線が現れてくれると、安心するのである。大地が冷却され、季節が先に進むのだ。
というわけで、今日は彼岸花を見に、県北部にある番所の棚田(山鹿市)を訪れた。
大分県日田市へとつながる古道にある古い集落。ここの棚田の美しさは定評があり、彼岸花の名所としても知られる。
棚田の稲は色付き始め、透明感のある緑に彩られている。今日は天候が良くないせいか、私以外、60代と思しき男性が一人だけ。
日本の原風景とはこんな景色を言うのだろう。
雨上がりだったので、坂道で足を滑らせた。どうにか持ち堪えたが、逆に膝のあたりに負担がかかり、肉離れをおこした。すぐに治ればいいのだが。この手のやつは意外と長引くものなのだ。
そこで帰り道、菊鹿温泉に入ってもんでみたが、あまり効果はなさそうだ。あとは「神様の気分次第」である。