一人旅おやじがゆく

旅することが人生の最大の喜びである旅好きが、各地で見たもの感じたことを淡々と記します。

2019-01-01から1年間の記事一覧

30年にわたる微調整

食べ物にはなぜだかほとんどこだわりがない。 特に若い頃は徹底していた。旅の間、食事といえば駅の立ち食い蕎麦や、吉野家や松屋の牛丼ぐらいだったような気がする。少しでもいろんなところを回ったり、有料の施設に入ったりしようとすれば、何かを削らなく…

寅さん最新作を見た

「男はつらいよ」を見に行った。最新版。50作目になる。 まだ始まったばかりなので、評価がどうなのか、まだ定まってないと思うが、おそらくそう悪くないのではないか。桑田佳祐が歌うテーマ曲も味があるし、すっかり歳をとった出演者たちもそこにいるだけで…

コンパートメント地獄

海外旅行のフリーツアーで時々、鉄道を使う。 日本の列車は車両全体が一つの空間になっているが、欧州の特急列車などコンパートメントになっていることが多い。だいたい6人ほどで1室を使う。ところがこれが当初、ものすごく息がつまった。 コンパートメント…

パッケージかフリーか

旅の楽しみ方は様々だろう。ツアーにしてもパッケージかフリーか。 妻は私の影響なのか、特に海外旅行の前は驚くべき集中力を発揮して、安くて中身が濃いツアーを探し出す。私は現地でどう動き回るか、どういうテーマで旅をくくるか、を企画する。この両方を…

決して古里宣伝隊ではないのだが…

官軍墓地 私が住む熊本は、2度戦災に遭っている。 最初が明治10年の西南戦争。2度目が太平洋戦争の空襲だ。被災した箇所はかなり重なっており、それゆえ、熊本の中心部には武家屋敷みたいな古い建造物はほぼない。ただ一部、熊本城から見て西南部は空襲に遭…

絶対地理感とでも言おうか

米子の城跡から見る中海 砂の器の舞台・亀嵩 前回は完全に計画をたてた旅を書いたが、実は結構、一人で旅するときは目的地やルートを決めずに出発することが多い。車で巡るときは絶対そうなる。心の底には風の吹くまま旅する寅さんへの憧れがあるのだろう。 …

短く、高く、変化に富んだ旅

あべのハルカスの最上階から見る通天閣方面 阪九フェリーの中 歩いて通れる関門トンネル 前回の津軽海峡の旅、自分で読んでみて旅の計画を練るのは天才的だなと自画自賛している。 もともと計画たてたり、目標たてたりすることが好きだ。ほとんど趣味の世界…

冬の函館で一人、津軽海峡を見た

函館の浜辺から見る津軽海峡 五所川原の駅 前回書いた弘前城の続き、みたいな話になる。 南国の人間にとって北国、雪国はたまらなくそそられる言葉である。津軽海峡、竜飛岬、津軽など聞くだけで旅情が湧き上がる。五所川原、十三湖、金木といったちょっとマ…

現存天守閣はやはり素晴らしい

弘前城 旅好きで歴史好きなので、当然ながらお城好きである。復元や復興したものではない、江戸時代のままの天守閣や櫓は、特に素晴らしい。 天守閣で以前のまま残っているのは12ある。BS番組などでよく紹介されているので、最近は有名な情報になってしま…

寅さんの舞台を巡ってきた

備中高梁。2度舞台になった。 旅好きが割と共通して好きなのが、映画「男はつらいよ」だろう。旅好きだからこの映画が好きなのか、この映画が好きだから旅好きになったのか、2つに分かれるだろうが、私は前者である。何しろ小学生の頃から地図と古い街並み…

北京とはどんなところなんだろう

3年前に訪ねた上海郊外の朱家角 北京に旅行に行く予定を立てている。ここ最近、休みが取れれば旅行に出向いてばかりだが、体が元気な時に行かないと絶対後悔すると信じ込んでいる。時間と金があるうちに、行きたいところは出来る限り訪ねたい。 香港、台湾は…

世界遺産と日本遺産を考える

球磨郡山江村の山田大王神社 世界遺産も年を追うごとに、指定される場所が地味になってきているような‥。 他の国のことはよく分からないが、日本人はかなりの世界遺産好きなのではないかと思う。訪ねるのも、指定されるのも大好きだ。20世紀に指定された屋久…

寂れた商店街になぜか惹かれる

人口が5万人から10万人の都市にありがちな寂れたアーケード街になぜだかとても惹かれてしまう。一体なんなのだろう。あちこちに設置されたスピーカーから流行りの音楽など流れていると嬉しい。今なら「パプリカ」だろうか。 私が見てきた限りでいうと、寂…

信州は聖地である

家族で訪ねた木曽路の奈良井宿 誰にも聞かれたことがないが、「これまで訪ねた中でどこが一番良かったですか」と聞かれたら、「そうですね、やはり信州ですかね」と渋く答える準備だけはしている。もちろんそんな会話をすることなく、準備だけして棺桶に待っ…

旅で出会うとんでもない建物

台北駅の近くにある度肝を抜く建物 長浜市にあるとんでもない建物 旅をしていると時折、とんでもない建物に出くわす。 滋賀県長浜市の中心部にある建物はすごい。初めて見たときはしばらく目が離せなかった。おそらくは昭和30年代から40年代に造られたも…

海に出会う時の開放感は何にも替え難い

これは日本平から見た富士山 前の回に書いた「野武士西へ」でもしばしば出てくるのだが、旅していて大海原を目にした時の開放感はなんとも素晴らしい。「うわ~」といつも思ってしまう。 先日両親を連れて巡った静岡でもそんな瞬間があった。ちなみに「野武…

タイトルを変えてみた

タイトルがブログの中身とかけ離れている感じかするので、変えてみた。こちらの方がしっくりくる。 近くの図書館で久住昌之さんの「野武士西へ」を借りて読んでいる。東京から大阪まで数年かけ小刻みに散歩をするという柔らかめの紀行文。東海道線沿いを歩き…

西の京山口は早朝に歩くのがいい

瑠璃光寺の五重の塔。大内文化を今に残す 山口市はとても小さくていい町だ。西の京と言われる歴史と文化がかおる。 県庁所在地としてはおそらく、全国でも一番小さいほどではないかと思うが、規模だけでは語りつくせない気品みたいなものがある。地元の人々…

私は民宿が苦手である

文豪夏目漱石が熊本の第五高等学校に赴任していた当時、年末年始になるとどこかへ旅に出たらしい。家にいると教え子たちがやってきて大いに飲み食いするものだから、ゆっくりできないのが理由だった。ちなみに漱石は五高教師時代、新婚旅行で福岡方面の神社…

親との旅はいまでも疲れる

嫁いだ娘の住みかを見たくて、両親も一緒に東京へ行った。 父が83歳、母が82歳。長らく自営業をやっていたこともあり、至って元気なつもりの2人であるが、年に1、2回同行する旅行の度に、いかんともし難い衰えを感じてしまうのである。というか、自分も還…

薩摩士族の蛮勇に励まされる南洲墓地

一時期、鹿児島を頻繁に訪ねた時期があった。 40代の前半だった。新しい職場に移り、1年以上が経っていたのだが、どうしても職場の空気に馴染めず、空回りをしては落ち込むことの繰り返しだった。その頃、手にしたのが司馬遼太郎の「翔ぶが如く」だった。…

思い出の紅梅荘をまた訪ねたい

同じ場所を懲りずに何度も訪ねる旅を、時々やってしまう。 言うならば思い出の地巡り、あるいは聖地巡礼とでも言おうか。 東京では中野区鷺宮がそうだ。そこは大学時代、3年半住んでいた場所。別にそこで彼女と同棲していたとか、連日仲間が集まってわいわ…

結局は一人旅が自分に合っている

考えてみると一人旅を始めて、40年程が過ぎてしまったことになる。 中学3年か高校1年の時に、南こうせつさんの実家がある大分市などを巡る日帰り旅が一番最初だったのではないだろうか。朝5時の始発に乗って、夜10時ごろ帰り着いた。もう40年以上前…

お上りさんが見る東京はやはりすごい

東京・紀尾井町のホテルニューオータニに泊まった。お上りさんにはちょっと豪華過ぎるかと最初思ったが、ツアー料金はそう高くなかった。 ずーっと以前からの一流ホテルだ。あの湾曲した建物はよくテレビでも見るし、映画「男はつらいよ」の第1作目でさくら…

台湾は観光地づくりが上手

九扮。向こうには太平洋が見える。 [九份は実は海を望む展望台] 九扮に初めて行った。思った以上なにぎわいだった。でもここ数年で作りたてられた観光地なのではないかと感じた。九扮が有名になったのは侯孝賢監督の台湾映画「非情城市」のロケ地になったの…

台湾に行った話1

タイトルにもある通り、子供の頃から旅が大好きで、人生の折り返し点を過ぎた今も、それは一向に変わらない。せっかくだから文章にとどめておこうと慣れないながらブログを始めてみた。同じように旅の魅力にとりつかれた人たちに呼んでもらえれば嬉しい限り…