旅吉です。
前から抱えていた疑問がある。北海道で本格的な開拓が始まったのが明治時代。ということはいま北海道に住んでいる方々の先祖は多くが入植者ということになる。ちなみに北海道の人口は500万人超。
道民一人一人が「自分の先祖は○○からやって来た」という明確なファミリーヒストリーがあるということか。そんなことあり得るのか。
で、確認してみた。
札幌市の東端に「北海道開拓の村」という「北海道版の明治村」のような施設がある。
今日、旅吉は開場と同時に勇んで入場。あちこちにボランティアの方々がいらっしゃったので、建物の説明を聞くついでに、失礼ながらこの疑問を投げかけてみた。
明確な答えが返ってきた。「もともと仙台なんですよ。先祖が伊達の殿様についてやってきたらしい」「うちの先祖は青森。津軽の方です」。ヘェ〜と思った。
念のため「道民の方々はみんな、そのあたり正確に把握してるんですか」と聞くと、「以前は県ごとの組織があったけど、今の若い人たちはあまり意識してないかな」とのこと。まあそうだろうな。
ただ、明治維新以来、入植者の末裔は500万人余りに広がったということになる。
言うなら、札幌の街中を闊歩する人々、登別温泉で忙しく立ち働く人々、みなさんにそういったダイナミックな入植の歴史が刻まれているわけだ。それは感動的でさえある。
今日は札幌市の北海道大学と植物園にも行った。原生林を切り開いて教育施設にした面影がまだ濃厚に残っている。
「森の中に大学がある」感じだ。ハルニレやカラマツの巨木が空を覆っていた。開拓が始まりまだ150年。当然ながら面影は残るだろう。それが手に取るように見えてしまうのが北海道の最大の魅力なのだろう。
ちなみに北大といえば、NHKの「72時間」で人気だった「北の大地の学生寮」。大学構内があまりに広く、結局行きつかなかった。残念。
ただ、先に訪ねた「開拓の村」には昭和58年に解体された旧北大寮が残されていた。かなりバンカラだったみたい。いろんな資料やエピソードが展示されていて面白かった。
大通公園では「ライラック祭り」で大賑わいだった。薄紫のライラックの花は北海道を旅していることを実感させてくれる。
それにしても今日の札幌は暑く、夏日だった。でも九州のような強烈な陽の光ではない。緯度の関係だろう。明るいけど、やはり光が弱い。夕方になるとその特徴がはっきりとする。でもそれがまた北海道の魅力。なにかロマンチックなのだ。