一人旅おやじがゆく

旅することが人生の最大の喜びである旅好きが、各地で見たもの感じたことを淡々と記します。

最初にジイジと言わせたい

旅吉です。

12月下旬から里帰りしていた娘夫婦と孫が先週末に帰京した。といっても旅吉はその時、鹿児島の大隅半島を一人旅。

孫の里帰りは二度うれしいという。最初はやってきた時。二度目は帰る時。うまく表現したものである。確かに数日間一緒に暮らすと、ちょっと疲れてしまう。妻も孫たちが帰京した後、魂が抜けたようになったとか(後日妻本人から聞いた話)。

安住紳一郎のラジオ番組「日曜天国」で、「パパ、ママより先にジイジという言葉を覚えさせたい」と奮闘している男性のことを紹介していた。そうなんだ。世のご同輩はそんなに張り切っているんだ…。それに比べると俺って冷めてるのかな。一人旅とかやってるんだもん。

どうもだめなんだよなぁ。孫にデレデレとなれない。もっとダイレクトに愛情を投げ掛ければ、妻も娘も娘婿も喜ぶのでしょうが。どことなくしれっとした態度になってしまう。山手線に乗っている都会のサラリーマンみたい。

実はすごく愛情を感じているんだけどなぁ。照れが先になってしまう。

実はこの春から、娘夫婦が熊本で暮らすことになった。4年あまりの東京暮らしに嫌気がさし、娘婿がUターンして熊本で働くことが決まった。里帰りの直前のこと。それも旅吉が昨年春まで働いていた職場! 中途採用の試験にめでたく合格したのである。これって驚くようなシナリオじゃない?

「自分が暮らすべき場は、ふるさと熊本なのだ」と決断しての転職だ。すごく喜ばしいけど旅吉は少しだけ複雑な気持ち。旅吉のどこか勝手でどこか意味不明な「早期退職騒動」が、変な方向に作用しないといいのだが。

「そうかそうか。旅吉さんの娘婿か。そりゃうれしい」となればいいが、「え、旅吉の娘婿? あいついま何してるの? なんだかわけわからないやつだったよな」みたいな言葉を浴びせる輩がゼロとは言えない。そうなると娘婿に合わせる顔がない。考えるだけで手足が冷たくなってくる。

見方を変えれば、旅吉の早期退職も意味があったような気がする。義理の親父が現役で働いている職場に自分も入ろうと思う娘婿は、おそらくいないはずだから。これも運命なのだろう。今度こそ孫を猫かわいがりしよう。そして最初にジイジと言わせよう。

使い残したままの社員食堂の食券を、娘婿に近く渡すつもりだ。よかった無駄にならなくて。

下の写真は大隅半島の南西側の海岸。人家はほとんどなく、想像以上に荒々しい景観だった。三陸海岸に近い雰囲気。

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志布志湾にある、くにの松原海岸。このあたりは穏やかだ。駿河湾に近い感じ。
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