どうも。旅するおやじ旅吉です。
日本各地を巡る旅の春編。だいぶ車中泊暮らしが体に馴染んできました。
奈良ではこれまで行ったことがなかった葛城エリアに行きました。大王家とともに五世紀のヤマト王権を動かした葛城氏の地元です。
二上山の麓に山の辺の道みたいなのがあり、一帯には小さな古墳群や當麻寺をはじめとする寺院が点在しています。
夕方、散策しました。まず當麻寺へ。
ここは国宝や重要文化財の宝庫です。本堂には有名な曼荼羅。仏の教えを分かりやすく絵で説明するのが曼荼羅で、西洋で言えばステンドグラスが一緒ですね。文字が読めない民衆に理解してもらうための取り組み。
ちなみに旅吉が一番感動したのは、金堂に置かれている四天王像でした。東西南北の守りを固める持国天、増長天、広目天、多聞天。
白鳳時代(奈良時代前の持統天皇たちの頃)の作。仏像が普及し始めてまだ間もないせいで、まだ日本流にならず、大陸の匂い、言うならシルクロードのバタ臭さがあります。
東大寺戒壇院の四天王に少し似ているものの、より国際的な雰囲気。中央の弥勒菩薩像を取り囲んだ四天王像と対峙するのは、さすが圧を感じました。それが醍醐味なんです。
説明してくれた僧侶によると、當麻寺は真言宗と浄土宗の塔頭で構成されて、両派が同居する形で當麻寺を共同運営しているとか。なので、當麻寺の本店僧侶?はいないそうで、役割分担してるそうです。
この日説明してくれた人は浄土宗の僧侶だったので、南無阿弥陀仏という念仏を使った説明でした。しかし真言宗の僧侶が当番の日には般若心経を使った説明になるはずです。
「両派で揉めたりしないんですか?」と質問したところ、「それは大丈夫です」と話されていました。これは驚きでした。
山沿いに点在する奈良の昔ながらな集落は、家々がびっしり建て込んで風格と気品があります。この風景は中世以来ずっと変わらないのでは、と勝手に想像しています。
大和棟という造りの家々の間を、細い路地が迷路のように続きます。すべての集落を重要伝統的建造物群保存地区の指定していいのではないかと思います。ほとんど生活の音が外に漏れてこないのが不思議です。
遠くに大和三山が見えました。