一人旅おやじがゆく

旅することが人生の最大の喜びである旅好きが、各地で見たもの感じたことを淡々と記します。

現存天守閣はやはり素晴らしい

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弘前城


旅好きで歴史好きなので、当然ながらお城好きである。復元や復興したものではない、江戸時代のままの天守閣や櫓は、特に素晴らしい。

天守閣で以前のまま残っているのは12ある。BS番組などでよく紹介されているので、最近は有名な情報になってしまった。北から弘前城松本城丸岡城犬山城彦根城、姫路城、備中松山城丸亀城松山城宇和島城高知城松江城。小ぶりな城が多い。姫路、彦根、松本、犬山、松江は国宝。それ以外は重文。あちこち全国を巡っているうちに、備中松山城以外はすべて制覇していることに最近気付いた。ただ付け加えると、櫓とはいえ創建当時のままの熊本城の宇土櫓などは、他の城郭の天守閣級かそれ以上の規模である。

いずれもいい城ばかりだ。特に姫路城は世界遺産だけあって、多くの建造物が見事に保存されている。最近、補修工事が終わり、白さが際立っている。ちょっと白過ぎるのではとも思うが、あれが本来の姿なのだろう。これまで2度訪ねている。天守閣に近づく西側から北側の通路が迷路みたいで面白い。よく映画などで使用される箇所である。天守閣の中には武具も陳列され、江戸期の天守閣が「武器庫」として機能していたのがよく分かる。

太平洋戦争で焼けた城も結構ある。広島城岡山城名古屋城和歌山城など。これらの城は行政資料として当時の様子が詳細に記録されているから、かなり正確に復元されているはずだ。それ以前の戦災で焼けたのは、西南の役の熊本城である。3年前の地震でも甚大な被害を受け、今も復興の途上。石垣の積み直しなどすべてが終わるには20年ほどかかると見られている。明治初年の写真が数枚残っている。よくぞ撮影していたものだと感心する。写真と比べるとだいたい正確に建てられている(昭和35年に出来たので、鉄筋コンクリート製)が、本来の天守閣の方がちょっとスマートだ。

現存天守閣で一番最近訪ねたのは、弘前城。今年の1月、積雪70センチの雪をかきわけ、城内を巡った。朝までの雪が一気にやみ、岩木山が見事に見えた。天守閣は何かの工事のため、本来の位置から違う場所に移動されていた。石垣の上に建っていないので、なんか変な感じだった。天守閣の中には入れなかった。やはり北国は冬に、南国は夏に訪問するに限る。美しさが際立つ。弘前城の南口から入り、北側から出た。近くには武家屋敷が少々残っていた。路地のあちこちで住民の方々が雪かきしている。話を聞くと、1日3回、雪かきをやっているという。南国の人間ゆえ、北国の暮らしにあこがれるが、そんな生易しいものではないだろうな、と思った次第である。