一人旅おやじがゆく

旅することが人生の最大の喜びである旅好きが、各地で見たもの感じたことを淡々と記します。

コンパートメント地獄

海外旅行のフリーツアーで時々、鉄道を使う。

日本の列車は車両全体が一つの空間になっているが、欧州の特急列車などコンパートメントになっていることが多い。だいたい6人ほどで1室を使う。ところがこれが当初、ものすごく息がつまった。

 コンパートメント地獄(と私は命名している)を経験したのは、はじめての海外旅行となった、欧州への卒業旅行の時なので、87年の2月だった。もう30年以上前だ。時がたつのは速過ぎる。

主に鉄路を使い、一人で7カ国(イギリス、オーストリアハンガリーチェコスロバキア、西ドイツ、イタリア、フランス)を3週間かけ巡った。まだ東西冷戦中だった。ウイーンからブダペストへはバスで移動。国境は鉄条網が延々と続いており、ハンガリー入国の際は機関銃を持った兵士がバスに乗り込み、異常がないか調べていた。本物の機関銃を見たのはその時が初めてだった。

話が逸れたが、コンパートメント地獄を経験したのは、ブタペストからプラハへの深夜特急。言葉が通じない中、どうにかチケットを購入し、出発間際に飛び乗るとコンパートメントは現地の人々(だと思う)でほぼ満席だった。空いている席にどうにか座ったものの、「異分子が入ってきた」の空気が濃厚。当時、東側に観光に行く日本人などほぼおらず、ハンガリー人には馴染みのない人種だったはずだ。しばらく我慢して座っていたが、欧州に入って以来、感じたことのない居心地の悪さを感じ、耐えられず、結局空いている別のコンパートメントに移った。

もしかして自分の人見知りが激し過ぎるのか、自意識過剰なのか、とも思ったが、西ドイツに入ってからは、コンパートメント地獄を味わうことはなかった。いい感じに無関心な雰囲気だった。そんなこんなでコンパートメントに慣れてきた時に遭遇したのが、前回書いたコーストガードたちだったのだ。詳しくは前回のブログ参照。

そういえは、BSでヒロシが海外の駅前食堂を訪ねる番組を時々見てる。あのゆるさ、たまらなくいい感じ。