一人旅おやじがゆく

旅することが人生の最大の喜びである旅好きが、各地で見たもの感じたことを淡々と記します。

辞めて何かするんでしょ?

旅するおやじ旅吉です。

1年間の早期退職が社内手続きの関係で公になりました。2時間ごとくらいに「聞きました。びっくりしました」と話し掛けられ、こちらがちょっとびっくりしています。もっと黙殺されるだろうと思っていたので。たった1年早いだけとはいえ、定年を前に「辞める」という行為が悪目立ちしてしまうみたいです。

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トイレで用を足していたら、あまり親しく話す間柄ではなかった先輩が横に並び、「聞いたよ。何か新しいことを始めるらしいね」。ん? ちょっとニュアンスが違うな。まるで起業でもやりそうな表現。伝言ゲームで少しずつ話に尾ひれがついたか。

その辺りはなんとなくごまかして、「もうあと一年ですからね」と変な着地をして、早々にトイレを後にしました。全員が納得してくれる説明は意外と難しく、語れば語るほど誤解を与えてしまいそうです。

そんな中、一番うまい表現として、特に若い世代向けに濫用しているのが「自分たちの年齢になると、時間を選ぶか金を選ぶかなんだよ」と遠い目をすること。「1年を残しての早期退職」と言う事実とうまくクロスするのか、皆なんとなく納得した表情をします。

以前も書いたけど、早期退職の1番の理由は、突き詰めていくと「以前から何度も早期退職を考えていた。そのタイミングを常に探していた。気持ち的にも仕事的にも残り1年となる今がベストと思った」というあたりになりそう。ここで踏み込まないと結局は後悔しそうな気もしました。リスタートを切りたいわけです。自分なりの「人事異動」で。

経済的に「どうにか大丈夫」と確信できる取り組みも形になりました。このあたりは同僚にはさすがに言えない部分。もちろんこのブログでも。別に何か悪いことをするわけではありません。とはいえ、同僚たちからするとここが一番気になる部分でしょう。隔靴掻痒ではありますが、それは仕方のないところと諦めてもらいましょう。

ある先輩が励ましの言葉をくれました。「いいと思う。みなやりたいことだけど踏み込めない行動。あえて踏み切った旅吉を皆うらやんでいるはず」。涙が出るほどのうれしさでした。

この先輩は、これまで接触する機会が割と多い方だったのですが、どうしても拭い去れない苦手意識がありました。熊本には割と多い、きつめで保守的な性格。同じ部署にいた頃、何度となくダメ出しされていました。早期退職を知ったら「何考えているんだ」と批判してくるだろうなと想定していたのに、まったく逆の反応でした。

とは言いながら「辞めたら何をするの?」というのは誰もが気にする点。転職、ボランティア、何もしない‥。そのあたりのイメージが多くの人々にはあるみたいですね。

そんな質問に旅吉が言い淀んでいると、親切にもある男性は「山のサークルなんていいですよ」と提案してきました。おそらくは「こいつなんの考えもなく、ただ働くのがいやでやめるんだな」と思われているんだろうな、と少し暗い気持ちになります。

さて退職後、旅吉は何をするのでしょうか。

説明するまでもないですよね。すぐに長旅に出ます。キャンピングカーで。一人で。くらしの手続き上の問題、娘の出産などもありますので、最初の長旅「春編」は1か月かそこらになると思います。

これまで仕入れた地理や歴史の知識を、現地でさらに「点ではなく面」で感じて学び、このブログでアウトプットできれば、と。まずは瀬戸内地方から関西、そして関東へ進む予定です。決して先を急がず、少しずつ動くつもりです。節約を重ねながら。健康に留意して。

最終的には全国を回ります。いろんな角度から日本という国を見つめ直したいのです。恥ずかしながらイメージしているのは司馬遼太郎の「街道をゆく」です。プラス、テレビ東京的な低い視線。難しそうです。

ただまぁ、今のブログの書き方のままでは、どんなに実のある報告ができたとしても、徒労感を感じてしまいそうなので、もっと工夫が必要ですね。面倒がらずに。時間はたくさんあります。

「家族は反対しないの?」と疑問を持たれる方も多いと思います。その辺り、うちの妻は心が広く、「とりあえず1年間は好きにしたら」と諦めにも似た言葉をもらっています。素晴らしいですね。