一人旅おやじがゆく

旅することが人生の最大の喜びである旅好きが、各地で見たもの感じたことを淡々と記します。

【古い町巡り⑤=若狭熊川宿】細川家と縁の深い場所

旅吉です。

古い町巡り。今回は、北海道の帰りに訪ねた福井県の熊川宿(若狭町)。若狭湾と京都を結ぶ若狭街道鯖街道)の宿場町。1996年に文化庁から重伝建(重要伝統的建造物群保存地区)に指定された。戦国時代には、織田信長の軍勢が朝倉攻めの際に立ち寄ったことが知られている。大河ドラマ「どうする家康」にも出てきた。ちなみに家康が休息したと伝わる寺もあった。

 

いつもの通り文化庁の資料から。

福井県若狭地方のほぼ中央部,山峡にある熊川宿は,江戸時代に京都と小浜を結ぶ若狭街道の物資流通の中継拠点として繁栄しました。街道に沿って用水路が流れ,江戸時代から明治,大正の伝統的な建物が軒を連ね,歴史的な町並み景観を良好に伝えています。」

三重県の関宿や岡山県鞆の浦ほどではないけど、保存地区のエリアはかなり広い。長野県木曽谷の奈良井宿と同規模。なので観光客も比較的多いようだ。

カフェや資料館、ギャラリーが割とたくさんあり、ゆっくり観光できる。少なくとも「確かに古い町だけど、どこも行くところないなぁ」とはならない。

「へぇ~」と驚くことがあった。肥後細川家の始祖である細川藤孝(幽斎)の妻は、藤孝と同じく足利将軍家家臣だった沼田氏の娘・麝香だが、実は熊川地区を治めていたのはこの沼田氏だったのだ。もしかしたら麝香は熊川で生まれたかもしれない。知らなかった。

ちなみに沼田氏はのちに細川家の家臣となった。幕末まで6000石の家老として藩を動かした。細川家筆頭家老である松井家も同様に室町期は、足利将軍家の家臣だった。足利家の家臣団が集まって肥後細川家の骨組みを作ったというのは実に面白い。出自があやふやな戦国大名の中でも「高家」の匂いをまとっているなぁ。

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道路が赤茶色なのは、雪国ならでは。消雪パイプから散布される地下水の鉄分が酸化して、こんな色になるそう。
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猫がじっとこっちを見ていた。
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アジサイが見事。北海道は初夏だったけど、本州は梅雨に入っていました。
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ところで若狭の守護・戦国大名は武田氏。織田信長軍に攻められ小浜城は落城するが、城主の武田氏は九州に下り、阿蘇宮司家を頼ったという。そして細川家の家臣になったらしい。

この春、NHKアナウンサーからフリーに転身した武田真一さん(阿蘇の高森町出身)はその末裔だとか。ちなみに旅吉は、武田アナウンサーのお父様(故人)と仕事の関係で話す機会が多かった。気さくな方だった。NHK入局間もない真一さんの話題になり、旅吉が「オリンピックの中継とかやられるようになるかもですね」と話を振った記憶がある。ところがオリンピックどころではなく「NHKの顔」になられた。ほんとすごい。

武田アナウンサーは歳を重ねるごとにお父様に似てきている。朝のワイドショーにはまだなじんでない感じがしないでもないが、しばらくすれば「民放の朝の顔」になっていることだろう。応援してます!

 

おすすめ度★★★★★(満点)