一人旅おやじがゆく

旅することが人生の最大の喜びである旅好きが、各地で見たもの感じたことを淡々と記します。

疲れ果てたぜ、わがチャレンジ

旅するおやじ旅吉です。

ほぼ半月に一回の投稿になってしまった。別に病気をしたわけではない。

第二の人生をいかに安定した彩りのあるものにしようかと、いくつかチャレンジをしたり、考えを整理したりしていたわけだ。

思えば、退職してから9か月あまりが過ぎた。昨日、近くの里山を歩いていて山茶花を見かけた。そこでふと気づいた。「そういえば退職して間もなく山を歩いた時も山茶花を見たな(山茶花は開花時期が意外と長い)。ということはやがて季節が一回りするということか」。

退職後、何度か「自由人になってからの暮らしぶり」を紹介したが、師走に入ったのを機に再度振り返って、気づいたことや感想を書いてみたい。

最初の数か月、周囲から「退職したのだから資格でも取ってみたら」とか「〇〇みたいな仕事もいいぞ」みたいな話がよく出た。当初はあまり気にしていなかった。ただ旅吉としては、しばらく好きなように暮らした後(それがこの冬までなのか、来春までなのか未定。ただそう遠い先ではない)は、また働くつもりのだ。テレビや新聞では国のトップたちが「働き手不足のご時世、シニアの手が必要になっている」みたいなこと言っている。そりゃそうだろう、頑張ってみるつもりだぜ、みたいな気でいた。

で、まずはハローワークのネット検索でどんな仕事があるか探してみた。居住地の熊本市の仕事を探してみる。ざざーっと出てくる。年齢不問の仕事もあるのはある。しかし、看護事務、看護師、養護施設、トラック運送などいずれも資格が必要な仕事がほとんどなのだ。「専門資格も専門性もないまま退職した60歳」を必要とする仕事は、ほぼない。

ここ数か月ずーっと見てきて感じたことがある。「いずれの求人も40代くらいまでの女性を採用したがっているな」ということ。一度、ハローワークに行って実情を聞いてみたら、やはりそれに近いことを言われた。ちゃんと通りのいい職場で働いていた人ほど、退職後の就職活動は苦労するみたい。そりゃそうだろう。

国のお偉さんが「これからはシニアに頑張ってほしい」と言っている割には、まだまだ受け入れ先は充実していない感じがしたが、いかがなものだろうか。おそらくあと5年後、10年後は状況が変わっているのだろうが。

「セカンドキャリアのために資格を」みたいな売り込みもよく見かける。

しかしこれは無理があると思う。例えば、行政書士とか司法書士、あるいは頑張って税理士の資格に挑戦したとする。50代後半で勉強を始めても、合格するの早くて60代前半、もしかすると70代になるかもしれない。で、開業。でも別の分野で働いていた人には人脈がないはずだから、だれも仕事の依頼には来ないだろう。その人が以前、司法書士事務所や税理士事務所で働いていたとすれば別だが。少しは仕事を分けてくれるかもしれない。

きょうネットで見た記事では、資格合格した高齢者に「顧客をつかむための講座」を準備している学校もあるとか。絶対無理でしょ、そんなことやってても。記事にもあったけど「資格の泥沼」。ようやくつかんだ資格をより有効にするため、今度は違う資格に挑戦しようとする人もいるらしい。稼ぐためではなくて趣味としか思えない。

実はこの9か月の間に実験的に挑戦したことがある。クラウドソーシングというやつ。仕事を頼みたい人と仕事をしたい人をネットで結びつけるマッチングアプリみたいな構造である。YouTubeホリエモンが「アルバイトで小銭稼ぎたいんだったら、あんなのが一番、AIとか専用ソフトを駆使してちょろちょろっとできます」みたいなことを言っていた。

で、とあるサイトに登録してやってみた。うまく行けばノートパソコンを持って全国各地を巡りながら、先々で空いた時間に車の中で仕事をする。そしたらガソリン代とか稼げるし、これこそノマドな暮らしだ。そんな期待が膨らむ。

サイト上でやりとりされる仕事の種類は多岐にわたる。旅吉の場合、読者は少ないとは言え、一応ブログを書いているので「ライティング」で検索してみた。

ところが出てくるのは、ほとんどがYouTubeのシナリオ書き。「おいおい、YouTubeってユーチューバー一人で作業を完結させてるんじゃなかったの?」とまず驚く。5000~6000文字書いて2000円~というレベル。どれもそれほど条件は変わらない。

このブログでさえ、好き勝手にここまで書いて1700文字。それから考えると、労力と報酬が乖離しすぎてないか、とまた驚く。

それでも挑戦してみた。仕事にたどり着くまでの高い競争率の中、どうにか3件ほど請け負ってみた。結果、疲れ果てました。「頑張れば道は開ける」と自らを鼓舞しながらだったが、そんなのが通用する時代ではない。精神力よりデジタルの知識が大事なのだ。これ以上詳しくは書かないが、60歳のおっさんには不似合いな仕事だということは分かりました。

相当な時間と労力を使った。しかし報酬は計1万円にも届かず。おそらくは20~40代くらいの人が仕事を請け負っているのだろうけど、まさか本業ではないよね。あれでは暮らしていけないはずだ。でも副業とするにはあまりに負担が重い。車中泊をしながら仕事を請け負うなんて、とんでもない話だということが分かった。

そんなことをやっていたので、最近ブログの更新をしてなかったわけだ。

第二の人生を豊かに充実させるのは難しい。

だが粘り強く次の「何か」を探していきたい。