一人旅おやじがゆく

旅することが人生の最大の喜びである旅好きが、各地で見たもの感じたことを淡々と記します。

お悩み相談2弾 田舎暮らし

どうも。旅するおやじ旅生です。

東京五輪は今日が最終日。中盤までは熱心に見ていたのですが、無観客のせいか、今一つのめり込むことができず、ついにこの日を迎えました。オリンピックというより何かの国際競技大会を見ている感じがしました。次はパリ。その時はコロナ、どうなっているのでしょうか。

さて悩み相談、第2弾です。

【質問】

都会の暮らしに疲れました。夫婦で田舎暮らしをしようと思うのですが‥。

【回答】

どんな田舎をイメージしているのでしょうか。①誰もいない山深い場所の一軒家でしょうか。それとも②町役場まで車で10〜20分もあれば行ける集落でしょうか。あるいは③県庁所在地のちょっと郊外くらいの場所でしょうか。

①のパターンを希望されているのであれば何も言うことはないですが、②はハードルが高いと言えるでしょう。よくテレビで②のパターンを紹介し、すごくいい雰囲気に描いています。ただこれは、移住者にもともと心の垣根がなく、かなりのオープンマインドを持っていて初めて成功することだと思います。

旅生は仕事の関係で社会人になって以来、熊本県内で3回の田舎暮らしを(勤務で仕方なく)経験しました。この経験から言うと田舎暮らしは決してパラダイスではありません。

言い古されたことですが、人間関係が近過ぎて結構疲れました。地域によって違うのかもしれませんが、人の心にググッと遠慮なく踏み込んで来られことが何度かあり、苦になった記憶があります。

田舎の人たちは、移住してきた(あるいは仕事で転勤してきた)新参者を興味津々で見ています。時として意地悪な目が存在していた感じがします(被害者意識かな?)。嫁と姑のような関係だなと思いました。それを気にしない明るい性格ならば、「田舎暮らし権利保持者」と言えるのではないでしょうか。

ちなみに移住者が多い田舎というのはある程度、決まっています。熊本で言うならば阿蘇がそんな場所になりますね。ちなみに旅生も30年ほど前、阿蘇で暮らしたことがあります。

旅生が住んだ場所は阿蘇の中でも特に移住者が多い所でした。彼らはさすがに町中(役場などがある地域)には住まず、ほどんどが町から20分ほど離れた別荘地として開発されたエリアに住んでいました。そこで工芸をしたり、農業をしたり。集落の中に住み、深く地元民と交流をしていた移住者はほんの一握りだったような気がします。まぁ、そんな共生ができる移住者は都会でも楽しく暮らせる人なのでしょうが。

前回に続き、ドラマ「あまちゃん」を引き合いに出します。この作品は都会と田舎というものを綺麗事に終わらせず、うまく描き切った作品でした。

主人公アキのやさぐれ母親春子が「田舎でうまく暮らせる人は都会でもうまくやれる」みたいなことを言います。これは正論です。ところが主人公アキはちょっと違う経験をします。東京では「地味で暗くて協調性もない」女の子だったにも関わらず、岩手に来ると祖母夏ばっばに背中を押されるように心を開き、みんなから愛され存在になるのです。

もちろん宮藤勘九郎の頭の中で出来上がった話ではありますが、「ちょっとした何か」が人生を大きく変えることはあると思います。

旅生の知り合いの女性も一度東京で就職したのですが、先輩たちから虐められ、誰も助けてくれないまま退職に追い込まれました。熊本に帰って就職したところ、今度は順調に職場に馴染み、周囲の予想を大きく超えるような仕事ぶりを見せています。

人生はどんな流れになるか分からないものだと強く感じた一例でした。変化の大切さも痛感しました。この女性も東京で受けた心の傷はまだまだ癒されてはないのでしょうが、たぶん時が解決してくれることを願っています。

さて結論。田舎への移住に過度の夢を持つのはリスクを伴うことだと思います。田舎暮らしがパラダイスなら少なくとも過疎問題はこれほど深刻ではないでしょう。

その一方、身の回りの環境を変えたいと言う思いには声援を送りたいです。経済的に問題ないのであれば、ひとまず③のパターンで様子を見ながら、最終的には慎重に②のパターンに移るのがいいと思います。

変に都会に、あるいは故郷に固執せず、身軽に人生を送ることは大事なことだと思います。

まさに「人間(じんかん)至る処青山(せいざん)あり」です。詳しくは以下の回を読んでください。

noaema1963.hatenablog.com